スキャルとデイトレの同時トレードはエンベロープがおすすめ

スキャルとデイトレの同時トレード

FXトレードではスキャルピングをやりながらデイトレードもやりたい方もいると思います。私もスキャルピングとデイトレードの併用でトレードしています。この併用トレードで役立つのがエンベロープです。エンベロープのインジケーターはあるのですが、自分で細かく調整したい場合、MT4の移動平均線を使うのがおすすめです。この原稿では、MT4での設定の仕方、トレードの仕方を解説します。

そもそもエンベロープとは?

FXトレードにおけるエンベロープ(Envelope)は、移動平均線を中心として、その上下に一定のパーセンテージ(もしくはPIPS数)でずらした2本のラインからなるテクニカル指標の一つです。エンベロープは、主に市場の過買や過売の状態を判断するために使用されます。

エンベロープ

エンベロープの主な特徴と利用方法:

  1. 基本構造: エンベロープは、中心の移動平均線と、それを基にした上部と下部のラインの3本から成り立っています。上部と下部のラインは、移動平均線から特定のパーセンテージだけずらして描かれます。
  2. 過買・過売の判断: 価格がエンベロープの上部ラインを超えると、市場は買いすぎ状態にあるとみなされ、逆に下部ラインを下回ると売りすぎ状態にあるとみなされます。この時、価格が再びエンベロープ内に戻る可能性が高まります。
  3. エンベロープの幅: エンベロープの幅(上部と下部のラインの間の距離)は、設定したパーセンテージ(もしくはPIPS数)によって変わります。市場のボラティリティに応じて、この数字を調整することができます。
  4. トレンドの確認: 価格がエンベロープの中心の移動平均線の上にある場合、上昇トレンドにあると考えられます。逆に、価格が移動平均線の下にある場合は、下降トレンドにあると解釈されます。

実際の取引においては、エンベロープだけでなく、他のテクニカル指標や基本的な情報と組み合わせて利用することで、より的確なトレードの判断が可能になります。

MT4の移動平均線で任意のエンベロープを設定する

MT4のインジケーターでエンベロープもありますが、ここでは移動平均線を使ってエンベロープを表示させます。MT4の場合、設定した数値がそのままPIPS数になってわかりやすいからです。方法はとても簡単です。

エンベロープの幅を決める方法

一般的なチャートだと%表示ですが、ここではMT4の移動平均線からPIPS幅で調整する方法を解説します。

MA設定画面

MT4のインジケーターで「Moving Average」を選択して移動平均線の設定画面をだします。

10ピップス幅のエンベロープ

次にレベル表示をクリックして数値の設定画面の「追加」をクリックして自分が設定したい数値を入力します。MT4の場合、100で10PIPSの幅になるので、上下で設定したい場合は「100」と「-100」を入力します。線の色も自分で設定したい色にしましょう。

このエンベロープはEMA25でPIPS幅を上下に100で設定しています。上下の幅は20PIPSになるので、このチャートはおよそ20pipsのレンジから上に向かっていることを示しています。

意外に大事なレンジ幅の見た目

トレードする時に短い期間であまりにも上下の変動が大きいと見づらいチャートに感じます。MT4は、チャートの見た目を調整できるので、自分が見やすいように調整します。特エンベロープの場合は、移動平均線の動きが滑らかな方が使いやすく感じます。

エンベープのチャート

乱高下しているチャートで見づらく感じます。

水平に近いエンベロープ

同じチャートでもプライスの幅を小さくするだけで見やすくなります。価格のバーを上下させて自分が見やすいチャートに調整できます。

エンベロープを使ったスキャルピングトレード

MT4でMAの幅を10、20、30、40、-10、-20、-30、-40と設定すると1PIPSの幅でエンベロープができます。今回は20、40、60、80、-40、-60、-80で設定しています。移動平均線はEMA20です。トレンドの方向を示すために200EMA(マゼンダ色)も表示しています。時間足は1分です。

envelope

200EMAが水平の時のトレード

方向性を示す200EMAが水平の時は、ロング・ショートの両方を狙ってトレードします。

収束するプライス

チャートの値動きは移動平均線の中央に向かって収束する性質があります。その性質を狙ってトレードをする手法です。矢印のところを見てください。中心のEMAから3本の線あたりにローソク足が来ています。それらのローソク足はやがて黄色の線に向かっています。

エントリーするタイミングは2本目、もしくは3本目のラインまでローソク足がきたときに、その足がヒゲになったときです。次の足が始まったときに逆張りで黄色線まで狙います。

ロング、ショートともに同じ要領です。ただし、進行方向にそのまま行ってしまうこともあります。そんな時は、大外のラインに達したら潔く損切りします。

200EMAの上にローソク足がある時のトレード

200EMAの上にローソク足がある場合は、上昇トレンドの傾向にあると判断できます。200EMAがサポートしている場合は、200EMAをサポートと考えてロングをエントリーします。

200EMAがサポートを続けている場合、上昇することを考慮します。上昇し始めて直近の高値を超えた場合、長めのスキャル、もしくはデイトレードに移行します。

この時のエントリーは高値を超えて戻りになったときです。上のチャートでは赤丸の位置になります。エントリーがうまくいったら黄色の線が平行になるまでポジションは持ち続けます。

ただ、急伸して大外の線まで伸びた時は逆転するかもしれないので注意します。スキャルでいいならそこまで伸びて利確するのもひとつの手といえます。

200EMAの下にローソク足がある時のトレード

200EMAの下にローソク足がある場合は下降トレンドの状態だと理解できます。基本的なトレード戦略はショートです。逆張りをしてロングをする場合は必ず損切りポイントを決めます。

上のチャートでは、上部に長いヒゲが出現するのがエントリー時のサインです。黄色の中心線までに利確するのがスキャルピングの手法です。逆のラインまで保持する長めのスキャルピングという発想もあります。

200EMAでレンジ相場を制するトレード

トレンドが出ているときより、レンジ相場に移行した時はトレードが難しいと言われています。負けやすいレンジ相場でトレードするよりトレンドだけトレードすればいいという人がいるほどです。しかし、レンジ相場でもトレードの判断となる材料があります。

このチャートはマゼンダ(ピンク色)のラインが200EMAです。200EMAに25EMA、75EMAなどの短期、中期線が上下で絡むようなレンジ相場になると、移動平均線付近でエントリーすると痛い目に合いがちです。しかし、移動平均線から離れた場所は、エントリーポイントになります。

このチャートのエンベロープは1本の幅が約30PIPSで上下最大で120PIPSあります。30PIPSの最初の線で10〜20PIPS狙うのも手ですが、100PIPS以上を獲得することも可能です。

いずれにしてもじっくりと待って、狙うべきレートを決めるのがポイントです。

まとめ

スキャルピングとデイトレードは、それぞれが持つ利点と欠点を補完し合う組み合わせです。そして、この併用トレードをさらに効果的にする鍵が「エンベロープ」であるということを本記事で解説しました。

MT4での設定方法・エントリーの判断基準、そして具体的なトレードの手法までを網羅してきましたが、肝心なのはこれを自分自身のトレードスタイルにどう取り入れるかです。

継続的な練習とデータの分析を通じて、エンベロープを使ったトレードスキルを磨いてください。そして、スキャルピングとデイトレードの併用で、更なるトレード成功を手に入れましょう。

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