FXのボックスブレイク手法とは?

FXデイトレード手法

はじめに

本原稿はFXのデイトレード手法をボックスブレイクを中心に紹介します。いずれも必ずしも勝てる保証はできませんが、トレードの考え方として捉えることで、トレード手法の幅が広がります。

なかなかトレードが安定しない、自分のトレード手法が確立されていない方の参考になればと考えています。

さて、FXのデイトレード手法は、トレーダーの数だけあるといえるかもしれません。そして、勝ち続けるトレーダーの手法に共通しているのが、何らかの基準を設けていることです。

複数のインジケーターを用いたトレードであっても、シンプルにローソク足のみを頼りにするトレードであっても、軸となる基準がなければ、ギャンブルと同じになってしまいます。

そういう意味では、FXのトレードでは、まず自分の基準を作ることが大切です。その基準をもとにして検証し、自分のスタイルを築くことができれば、勝利の道が開けることでしょう。

FXのボックスブレイク手法とは

FXの東京時間ブレイク手法

東京時間ブレイク手法とは、東京時間(9時〜15時)をボックスと想定し、そのボックスをブレイクした方向にエントリーする手法です。東京時間はレンジになる傾向にあることから、考えられた手法といえます。

東京時間のボックスを基準としてトレードする方法

東京時間を表示

上のチャートのブルーの部分は東京時間を表しています。週単位で見ると下降トレンドの最中です。←は東京時間をボックスと捉えた場合のエントリーポイントです。必ずしもボックスをブレイクしたからといって、すぐにエントリーするのがベストとはいえません。

東京時間の動向をみて、エントリーポイントを決めるといった方が適切であるといえるでしょう。兼業でデイトレードをしている場合は、東京時間にエントリーするのは難しいので、どうしても欧州時間やニューヨーク時間が始まってからのエントリーになります。

そうした方に東京の値動きを参考として東京ボックス(レンジ)を基準としてトレードするということです。

東京時間のボックス内でトレードする方法

東京時間を表示したチャート

上のチャートの①は東京時間に前日の高値をブレイクしたのですが、抜け切れずに下落したケースです。エントリーポイントは←の部分で、東京高値を超えてヒゲになった部分です。ニューヨーク時間になり、下落速度を高めたケースです。

翌日の②は、前日の東京時間を完全に下に向けてブレイクしています。

前々日、前日が下落したことを受けた③のトレード。2日続けてトレンド傾向が強いと3日目は調整(レンジ)になることがよくあります。この日のトレードとしては、東京時間のボックス内を基準とするのが一つの考え方です。

つまり、レンジの上下付近を逆張り位置としてエントリーするのです。

④は、調整を経て、上方向にブレイクした日。強い上昇トレンドなので東京時間に前日の高値を超えて欧州時間になってさらに傾向を強めました。この日は東京時間ブレイクといえるでしょう。ただし、抜けきれずに欧州時間後半になって押し込まれています。

東京時間は欧州、ニューヨークに比べて流動性が低いといわれます。しかし、東京時間の動きによってオーダーが決まることがあります。欧州、ニューヨークのプロトレーダーはどこにオーダーが溜まっているか知っています

つまり、場合によっては東京時間のボックスを基準にトレードプランが練られるので東京時間の高値や安値、50%戻しなどがエントリーポイントになることがあるのです。夕方からトレードする方は、その点を考慮するのも方法です。

東京時間ブレイクは前日の動きがカギになる

⑤が理想的な東京時間ブレイクといえるトレードができる日です。実は、東京時間ブレイク手法のキモは、前日の高値圏、もしくは安値圏でレンジになることです。前日の高値でも安値でもそこから30%-40%の範囲で、東京時間にレンジになったら、東京時間ブレイクを考えます。

⑤の東京時間は、前日の高値圏で上下しています。金曜日を挟んだ、上昇トレンドで30分足レベルでは窓が開いています。4時間足での窓を埋めた後上昇して、東京時間をブレイクして上昇しました。

前日の高値、安値を基準にしたFXトレード

デイトレードでは、前日の高値、安値のチェックはかかせません。特にトレンドが発生している状況では、前日の値幅を基準にすることがあるからです。

前日の押し目(戻り目)を狙う手法

押し目のエントリー

上のチャートは上昇トレンドを前提としたデイトレードです。前日の値幅の61.8%押した状況から上昇している局面です。こうした状況では、61.8%になったからといって単純にエントリーしてはいけません。さらに下に行く場合があるからです。

自分のエントリーポイントを押し目の61.8%にすると決めたなら、そのポイントから抜けきることを確認してからエントリーポイントを探します。61.8%はあくまで基準にするのです。

AとBは61.8%で反発しているので、一見してエントリーポイントのように思われます。特にBはボリンジャーバンドの幅が小さくなるスクイーズの状況です。抜けると思って、早めにエントリーしたくなります。

数ピップス獲得ならいいかもしれませんが、デイトレードでは状況にもよりますが、20ピップス〜はとりたいものです。その場合は、完全に抜けきってからエントリーします。

その方が短時間でピップスを獲得できます。上がったり、下がったりする時間が長いとそれだけストレスもかかるからです。

チャートでは①の足がABを上方向にブレイク。前日の高値付近で押し戻されていますが、上昇トレンドという背景があるため、少し押した矢印のところでエントリーします。

大きな波(トレンド)を基準にして戻り(押し)を捉える

トレンドが出ている場合は、ときに大きな波(急落や急上昇)が発生します。それを基準にするのもひとつの方法です。大きな波に対して調整が発生するので、それを狙うのです。

波を基準にトレードする

上のチャートは3日連続で下落したチャートです。日中では調整もあるので、トレンド中とはいえ、エントリーに悩みます。

①は前日に大きな下落トレンドが発生しました。戻り高値からショートを狙うのが基本トレードです。このトレードで基準になるのは、前日のブレイクポイントです。

前日はAのレート(ネックライン)をブレイクしたことをきっかけとして、ナイアガラ(急落)が発生しています。翌日もAを意識したトレードをします。青の矢印は、丁度前日の値幅の50%戻りであり、かつネックラインです。

これは、非常にわかりやすいトレードです。

②の日は、前日の安値付近がネックラインになってもみあっています(青矢印のポイント)。その後、下落方向に急落しています。

③は、前日の値幅の61.8%を上に抜ける展開をみせましたが、前日の安値をブレイクしてさらに下値を広げました。

大きくピップスがとれるボックスブレイク手法

東京時間のボックスブレイクを説明しましたが、こちらのボックスブレイクは複数日のブレイクです。実は、数日にわたるレンジが続いて、動き出す日は、デイトレードで大きく取れるチャンス日でもあるのです。

ボックスブレイク

トレンド中の中段保ち合いは、ボックスの高め付近でエントリーすれば、負けにくいと考えられます。上記チャートは5日分の値動きを表しています。Aボックスは左端の赤矢印の下落の波の中でレンジの動きを見せています。

こうした状態の時は、そのボックスをブレイクするとブレイク方向に同じ値幅が出ると考えられます。

だましのボックスで最大幅を狙う

FXのトレードでだましといわれるブレイクがあります。ブレイクしたと思い、その方向にエントリーしたのはいいけれど、そこから考えと逆方向に動き出すことです。この逆方向への動きは、リフトアップと呼ばれる現象で、実はエントリーのチャンスでもあるのです。

ダマシを回避する

上のチャートは、下落トレンド中のある日の値動きを表しています。基本は下目で線です。下落を狙うわけですから、ショートエントリーをどこでするかがポイントになります。レンジブレイクではレンジをブレイクするか、なんらかのサインが出たところを狙います。

二つの青丸は、ボリンジャーバンドのミドルバンド、上限のバンドにヒゲがかかっています。ヒゲがバンドにかかるのは、エントリートリガーのひとつなので、それぞれ、ショートのサインととれます。

ヒゲの先端でエントリーできれば、少しはピップスを獲得できますが、どうも大きくはとれません。

そこでレンジをブレイクした①でのショートエントリーを行うのは、ありがちなトレードです。しかし、残念ながら、そのポイントが底になり、大きく上昇しています。

トレンドの中段保ち合いや天井圏、底値圏では、こうした動きがよく見られます。トレンドが2〜3日続いた日の後は、上下に大きな動きになるかもしれないと見当をつけてトレードすれば、こうした事態に巻き込まれなくなります。

おわりに

ブレイク手法は、エントリーの基本ともいえる手法です。ブレイクしたからといって飛び乗るのは禁物であり、よく見極めてからエントリーするのが基本です。

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