FXのスキャルピングとは?勝つための最低条件を知る

fxのスキャルピング

はじめに

スキャルピングとは、数秒から数分程度の短時間のトレードを繰り返す手法です。トレード回数を増やすことで1ピップス(または銭)程度の小さな利益を積み重ねます。FXトレードでは、デイトレード、スイング、長期、自動売買などの手法がありますが、その中でももっとも新規注文から決済までの時間がとても短い手法だといえます。

本原稿はFXの初心者向けに、FXスキャルピングのトレードに関わる注意点について解説します。

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スキャルピングのメリット

スキャルピングのメリットはいくつかありますが、ここでは代表的なことについて説明します。

ポジションの持越しがない

ポジションの持ち越しとは、日をまたいで翌日まで決済しないことです。人にもよりますが、保有ポジションを持ち越してしまうと、日中、夜中など四六時中、為替レートが気になって仕事はおろか、寝不足になる人がいます。金曜日の持ち越しでは、月曜日の朝まで市場がクローズし、その間に天災、経済的な大きな変動があると金曜日にクローズしたレートから大きく乖離してスタートすることがあります。40、50ピップス、100ピップスといわゆる窓を開けた状態で始まることがあります。すぐに決済するスキャルピングならそんな心配はありません。

持ち越しがない
ショートで持ち越していたら20pipsの窓明けを受けていた。もし、損切りにあっていたらその後下落したので悔しい思いをしたはずだ。

1回あたりの損失額が小さい

1回あたりの損失額は自分で決めなければならないので、一概に小さいとはいえませんが、小さくトレードすることになれると、損切りも素早く行えます。また、スキャルピングだと1日のトレードチャンスが多くなるので、損切りトレードがあったたとしても次のチャンスで取り返すことが可能です。トレードと同時に指値、逆指値を同時に入れられるFX会社で、その指値幅も最小単位が3ピップス(クロス円なら3銭)程度で十分です。

トレードチャンスが多い

これは書くまでもありませんが、デイトレードやスイングとは比較にならないくらいトレードチャンスがあります。これは資金の回転率の点からみてもデイトレードより圧倒的に高回転で回せます。数回負けたとしてもすぐに取り返すことが可能なので、負けたときの精神的なショックも小さくて済みます。ただし、熱くなって無茶なトレードだけは絶対に避けてください。

スキャルピングのデメリット

スキャルピングにはメリットがある反面、資金の回転率を高くしてトレードすることに起因するいくつかのデメリットがあります。

手数料を多く払う

トレード回数が多いことから、その分、手数料をより多く支払います。手数料の名目は現在スプレッドになっています。FXトレードでは、決済と注文の2回の手数料を支払います。例えば、1ピップスのスプレッドで100回トレードするなら200ピップス分の手数料を払っている計算になります。100万通貨でトレードしているなら、1ドル100円と計算しても1回あたり2000円の手数料になり、これの100倍ですから1日に20万円の手数料を支払う計算となります。勝っていれば問題には思わないかもしれませんが、改めて考えると多大な額になります。

一回あたりの収益幅がせまい

これは、長所の裏返しです。損切り額が小さいこともあり、1回あたりの収益も小さいのです。しかし、ロットするを上げれば、数回のトレードで数万円を稼ぐことができるので、あながち収益額が小さいとはいえないケースもあります。

細かい作業で根気と集中力が必要

スキャルピングでは、短時間で行う機械的作業に似ています。売買を繰り返すのでその分、疲れもたまります。

損切りしなければ、取り返しのつかないことになる

トレードはメンタルが大事だといわれますが、人は持っているポジションがマイナスになると決済に躊躇します。それをそのままにしておくと莫大な損失になるおそれがあります。

口座凍結の恐れがある

スキャルピングはすべてのFX会社が認めているわけではありません。大きな資金でスキャルを連続して行うとFX会社がカバーしきれなくなるからです。また、サーバーにも負荷がかかります。FX会社では明確にスキャルピングを禁止している会社もあるので利用規約をしっかり読んで取引をしましょう。なお、利用規約では回数やロット、時間などの具体的な記述ではなく、短期間・頻度が多いなど、抽象的な表現で記されていることがあります。

相場に慣れないうちは難しい

初心者の方にはスキャルピングをテクニカル頼りで挑戦しようとする方がいるかもしれません。しかし1分足や5分足のテクニカルインジケーターはサインが出てもそれが有効だとは限らないのです。例えばゴールデンクロスが出ても数分後にはそれが消えたり、点いたりすることが往々にしてあります。そうしたインジケーターのクセや、レジスタンス、サポート、トレンドラインなど、基本的なテクニカル分析を身につけてからトレードすることをおすすめします。下の原稿は5分足のスキャルピングを図解で説明しています。是非トレードの参考にしてください。

スキャルピングに適した環境とは

ここでは、スキャルピングをする前に知っておくべき注意点をまとめています。

スプレッドが狭いFX会社を選ぶ

1ピップス程度の値幅で決済するので、スキャルピングではスプレッドが狭いFX会社で取引することが第一条件です。スプレッドに関しては日本円に絡む米ドル円、ユーロ円、ポンド円などの通貨ペアは銭で表記され、それ以外はピップス(pips)で表記されます。

スプレッドの狭い会社を選ぶといっても日本のFX会社では主要通貨のスプレッドはほぼ横並びです。例えば米ドル円は0.2銭〜0.3銭です。もちろん、これより狭い会社もありますし、広い会社もあります。どのFX会社でもスプレッドは発表しているので、まずは確認してみましょう。そう大きな差はないはずです。しかし、本当に注意しなければならいのは、次の点です。

JFXはスプレッドが狭い
JFXのレートパネル。スキャル歓迎を標榜するFX会社だからスプレッドは狭い

原則固定制かロット数で変化するか

FX会社の中にはロット数でスプレッドが広がる場合があります。スキャルピングは短期売買なので慣れてくると大きなロットでトレードすることが少なくありません。ロットを上げたとたん、スプレッドが広がっては意味がありません。

原則固定の時間帯の表記がされているか

どのFX会社でも時間帯や指標発表にからむ時間はスプレッドが広がりがちになります。しかし、何もないのに不規則な広がり方をするとトレードに支障がでます。少なくとも原則固定の時間帯を表記しているFX会社を選びましょう。

自分のトレード時間のスプレッド幅を事前に観察する

多くのFX会社は早朝や重要な指標発表前にスプレッドは広がっています。通貨によっても違いがあるのですが、数ピップス程度のところもあれば、数十ピップス離れているケースも見られます。

この広がりに関しては、諸条件により異なるので、表記することはできませんが、少なくとも自分がトレードする時間帯の状況を事前に確認することをおすすめします。

トレードをするとしても、例えば、朝7時前後なら米ドル円なら1銭〜2銭程度にならないとスキャルピングとしては厳しいでしょう。

ポンド、ユーロ、豪ドルのスプレッドを確認

FXトレードではFX会社のスプレッドはいわば必要経費です。「もっともスプレッドが狭い、米ドル円でスキャルピングをするから他の通貨のことはみなくていい」。そう考えている方がいるかもしれません。しかし、現在の為替相場では、米ドル円はボラティリティの少ない場面が多く、特にアジア時間はスキャルピングトレードがしにくいと感じることがあるかもしれません。そんなときには、ユーロ円やポンド円、ポンドドルといった他の通貨を利益を積み重ねるスキャルピングで対応するのも一つの手。ポンドやユーロのスプレッドはFX会社によって多少の違いがみられるので、その点で比べることをおすすめします。原則固定制でユーロ円なら0.3-0.5。ポンド円なら0.8-1.0くらいが判断基準です。

スキャルピングの通貨ペア選びに関しては下記の原稿を参考してください。

約定力の高いFX会社

約定力とは、決済した時のレートとほぼ同じレートで決済されることです。スリッページが少ないと言われることがあります。スリッページはネット環境では非常に起こりやすい現象です。スリッページに関しては以下の原稿で書いていますので是非参考にしてください。

スキャルピングに向いている人、向いていない人

スキャルピングは瞬発的な判断が求められるので、集中してトレードできるメンタル面と環境が必要です。また、仕事などの都合で、デイトレードやスイングトレードがやりにくい人にも向いているトレード方法だといえます。スキャルピングに向いている向いていない人については、以下の原稿を書いていますので、是非参考にしてください。

「損小利大」ならぬ「損小利小」で勝ち逃げが必須

FXトレードで稼ぐには「損小利大」が理想とされています。つまり損は少なく利益は大きくの意味です。損切りは早く、利益ははゆっくり育てるというトレード哲学です。しかし、スキャルピングでは、1日に数回〜数十回、動く相場なら百回以上可能なときもあります。スキャルピングは他のトレード手法と比べてトレードチャンスが多くなるので、高い勝率を目指します。しかし、レートには波があり、勝ち続けていてもある時点から負け始めて利益を全て失うこともあります。逆に最初はうまくとれなくても徐々に相場と手法が合い、最後はトントンまで持っていけることもあります。

トータルで損失より利益が上回る手法に磨き上げる

FXトレードでは最終的に損失よりも利益が上回れば良いのですから、1回の損失を複数回の利益でカバーすれば結果的に利益が残ります。つまり高い勝率を維持できるテクニカルを磨けばいいのです。例えば、ある条件のもと、勝率80%のスキャルピング手法があったとします。

この手法では、10回のトレードで8勝2敗になります。仮に1回のトレードでの利益が5pipsだったとすれば、1回あたりのトレードでの損失は19pips以内であれば利益が出る計算になります。(8回×5pips>2回×19pips)。実際にスキャルピングでは、勝率7割はないと安定して利益を出すことが難しいでしょう。

手法に磨き上げる
手法はシンプルな方がわかりやすい。上のチャートはトレンド判断の方法だ。Aに高値を完全に超えたのがBのローソク足。これでトレンド発生と考えて、あとは押し目をひろうロングのスキャルピングを繰り返すだけだ。自分で条件設定をして、それがクリアしたらトレード開始。あとは方向に合わせてトレードするだけだ。上か下かを予想するのではなく、この条件ならロング、ショートと明確にすることが大事だ。

大事なのは、損失管理です。それさえ守れば、スキャルピングで大きく負けることはありません。1日ごとの計算で10から20ピップスの利益が出たらそこでやめることです。仮に1ヶ月で100ピップスの利益が出るようになれば、ロットを上げることで、先々莫大な金額に育てることも可能です。少しでも勝ち続けることが大事です。

損失管理については下記の原稿が参考になるのでぜひお読みください。

休むも相場、体調不良な時などは参加しないこと

肉体的や精神的に疲れが残っている状態ではトレードはしない方が無難です。そんな状態で為替相場と向き合っても判断の遅れや正確な判断ができない場合があるからです。超短期売買のスキャルピングでは当然といえるでしょう。判断が鈍っているとごく稀にトレードする通貨ペアを間違って発注することさえ起こります。また、決済したと思っていてもしていなかったり、信じられないことを引き起こします。たまにはトレードから離れてリフレッシュしてみましょう。

スキャルピングでは指標発表は避ける

スキャルピングは相場の中長期的な流れを読むファンダメンタルに関係なくトレードします。上位足も方向性を確認する意味でトレード前に日足で方向性を見て、1時間足でサポートやレジスタンスをチェックしましょう。ファンダメンタルは関係ありませんが、経済指標発表は別です。損切り幅が小さいスキャルピングでは、逆行して瞬間で損切りになる場合があります。また、指標によっては窓の空くことがあります。特にポンドなど値動きの激しい通貨では、いきなり20ピップスマイナスになることもありえます。

スキャルピングのテクニカル分析は少なめに

テクニカル分析に使うインジケーターに関して、複雑に組み合わせて、使用する方がいます。なかには5〜6種類程度の組み合わせてトレードする強者もいるようです。インジケーターはそれぞれサインのタイミングが異なるため、デイトレードやスイングなどで複数を組み合わせてフィルターにすることで有効的に使えるケースは確かにあるかもしれません。しかし、全てのインジケーターが揃うのを待っていては、スキャルピングのように回数をこなすトレードの場合、トレードチャンスが減る可能性があります。インジケーターは多ければ多いほど、それぞれのサインがずれるので、結果としてトレードチャンスが減少します。インジケーターを使う場合は、種類を絞り込み、それに磨きをかける方がベターです。

このテクニカル分析はトレンドラインとボリンジャーバンドだけだ。トレンドラインに近づいたときにロングを入れるだけだから取りやすい相場になっている。また、上のチャートのようにトレンドが発生してる時だけすれば勝率は高くなる。勝てる相場だけでトレードすればいいのだ。

下の原稿はスキャルピングに関する技法を紹介しています。参考までに読んでいただけると幸いです。本サイトでも人気の高い原稿です。

スキマ時間のスキャルピングは避ける

スキャルピングは数秒、数分で決済することからいつでも、どこでもできるような印象を持ってしまいます。しかし、スキャルピングトレードの原則は基本的に為替チャートの張り付きです。ブログなどでは、利益を逃さないためとありますが、むしろ損失を最小に抑えるためと考えた方がいいでしょう。人は心理的にトレードで負けると、取り返したい気持ちが起こります。スキマ時間では、それがうまくコントロールできません。また、相場が硬直して数時間単位で動かないことは普通に発生します。スキャルピングこそ、トレード時間を決めて規則正しくすることをおすすめします。

自分が勝ちやすい時間帯に限定する

同じ時間帯でトレードすると前日の動きが参考になることがあります。また絶対ではありませんが、各市場のオープン時からクローズするまでには同じような時間帯で上下は別として同じような動きをすることがあります。そうした相場のクセをつかむことも必要なので、自分が得意なトレード時間を見つけてその時間に集中してトレードするようにします。だらだらと続けると勝っていても負けに転じることがあるので、時間限定でそうした失敗を回避しましょう。

スキャルピングに適した時間帯について下記の原稿で記しています。トレード技術向上のためにお読みください。

ローリクス、ローリターンからスキャルピングを始める

トレードはレバレッジ、ロット数、トレード時間、損失額に関しては自分で決めてトレードできます。よほどの急変でない限りあらゆることからリスクコントロールが可能なのです。トレード前は誰もがそう思ってトレードを始めるのですが、いつの間にかそうしたルールが無視されて負けを重ねます。スキャルピングでもそれは同じです。ローリスク・ローリターンで始めてください。

また、これから本格的にトレードをする方は是非とも次の三つの原稿をお読みください。

おわりに

FXスキャルピングの概要について説明しました。勝つためには最低でもここに書いている条件をクリアするようにしましょう。

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