はじめに
本原稿では、FXトレードとメンタルの関係について説明します。FXではメンタルコントロールが欠かせないといわれています。それは裁量トレードでは、常に変化する波と対峙しなければならないからです。
FXでメンタルコントロールが全てを決める
FXトレードでは、為替相場をみて上昇下落などの判断を思考回路を働かせて判断します。プランが固まり、各通貨ペアの売買が思惑通りにうまくできれば利益をえることができます。
プランづくりでは、各通貨ペアの独特な動きや各国の経済指標の発表時間、さらには各国の高官による重要な発言など、今後発生すると思われるファンダメンタルの事項も考慮しながら、どこでエントリー(通貨を保有する)してどこで決済するかを考えます。
そして、プランを作成し、考えた通りの流れになればエントリーして、その後の為替チャートの動きを見ながら決済ポイントに来たら利益を確定させるか、さらに利益を伸ばすか、場合によっては、思惑通りに動かないときは損切りします。
しかし、何が起こるかわからないのがFXトレードです。エントリーした途端に為替チャートが思惑と反対方向に大きく動くことは、本当によくあることです。
ここで反転するはず! そう考えてエントリーしても反転するどころか、逆にそこから大きく伸びることがあります。多くのFX初心者はここで焦ってしまい、本来すぐに損切りすべきところを冷静な判断が行えず、次のサポートまでロスカットを伸ばします。これは、FXトレードにおいて、もっとも大切なメンタルコントロールができないためです。
損切りコラム
通常エントリーポイントは、サポートやレジスタンスの位置が多くなります。しかし、このポイントは逆にいえば、破れてしまえば、あっという間に順行する場所でもあるのです。また、多くの人が狙っているポイントでもあるので、突破すれば一気に伸びることが多々あります。
FXトレードのメンタルとは、決めたルールを守り抜くの強さ
FXトレードを裁量で始めてすぐに勝ち組になれる人はそう多くないでしょう。多くの人は損失を被るか、例え利益を上げたとしても、いつまにか損失に変わってしまうのではないでしょうか。そこで手法をいろいろ試したり、さまざまな情報を入手しようと躍起になります。もちろん、トレードはこりごりだとFXトレードをやめてしまう人もいるでしょう。
FXトレードで勝ち組に入るには、愚直なまでにひとつの手法を突き詰めるか、自分のトレード感覚をなんらかの方法で確立することです。
ただ、FXトレードをはじめたばかりの頃は、トレードで稼ぐために必要なメンタルバランスの重要性になかなか気づきません。それは、自分が冷静になれないロットでトレードをしないというルールづくりであり、それを粛々と実行する意思です。その重要性に気づくことができれば、その後は徐々に損失が減っていき損失は利益へと変わってゆきます。
裁量トレードでは特にメンタルが乱れないロットにすること
なぜ、メンタル面がそれほど重要なのか、その理由はとても簡単です。FXトレードで稼ぐためにはトレード手法を確立しますが、それを運用するのは人だからです。特にスキャルピングやデイトレードを裁量で行うには、自分のルールを守るという意思が不可欠です。つまり、いくら稼げる手法があったとしても、メンタルのコントロールができなければ、一時的に稼ぐことはあるかも知れませんが、継続的に稼ぐことは容易ではないからです。
トレードで継続的に稼ぎ続けているトレーダーは全体の約5%前後といわれています。彼らは稼ぐための手法はもちろんですが、稼ぐための土台にはしっかりとしたメンタルコントロールがあるのです。
メンタルが崩れないトレードを実行しているといつかは勝ち組に
FXでは一時的に稼ぐ事はそれほど難しくありませんが、継続的にトレードを続けるとなると一気にハードルが上がります。為替相場は、急落、急上昇、介入ありと、目まぐるしい値動きをします。為替相場の流れについて行けず、為替相場から退場せざるを得なかったトレーダーは数知れず。
しかし、このような激動の為替相場でも退場せずに利益を出し続けている人も確かです。その理由としては稼げる手法はもちろんですが、その前に今までFXで失敗を繰り返しながら身に付けたメンタルがあるからです。
ちなみに、このメンタルは、心や精神、意識の意味として捉えられがちですが、FXトレードでは、この動きに惑わされず淡々とトレードを行う、または一時の感情に惑わされずいつも平常心でトレードする意味になります。
こう書くと大変なように感じるかも知れませんが、要は心が乱れない資金量で適正なロットでトレードするということです。
おわりに
どんな人でも資金に見合わないロット数でトレードすると平常心を保つことができません。毎日の習慣である歯磨きやシャワーと同じように「こうするのが当たり前」の感覚を保つことができれば、それが、十分なメンタルコントロールといえるのです。